筋肉サポートタイツ・保温編
冬に筋肉サポートタイツ、スキー環境ならともかく、山にはどうですかね?が本音です。冬になると登山のお客さんより、スキーのお客さんが圧倒的に増えます。頻繁にタイツを使用しているスキーヤーはあまり保温タイツを選択しません。理由は、もともとスキーウェアー自身が保温性を確保しているから、サポートタイツにそれ以上の保温性をあまり必要としないからでしょう。
僕達も、保温タイツをテストしてみると、山用の保温下着を履いたときと比べて、さほどの暖かさを感じません。おそらく、サポートの力(コンプレッションが)タイツを履いた瞬間から代謝に必要な血液運搬を一時的に制御してしまうからでしょうね。しかし、運動を始めて、代謝が上がりはじめると、その産熱を利用して、タイツ自身の素材が温まってくると、暖かさは保温維持されます。保温維持力の要因はタイツの裏地に細か〜いですが、起毛処理されている部分に温まった層が保存されるからでしょう。しかし、この起毛部分もタイツ全面に処理されてはいません。きっと、ストレッチ性、サポート性の機能を失ってしまうからでしょうね。という能書きはともかく、サポートタイツの大御所メーカー、ワコール社のCWーXの保温タイプ、フェニックス社の4DM保温タイプの2社を比較すると後者の方が、ちょっとサポート力が弱い気がしますが、馴染みがいいような気がします。

筋肉サポートタイツ
すーさんの体感
ワコールCW−Xを代表に、ノースフェース社のバイオテックス、フェニックスの4DMとメーカー・アイテムもバラエティです。僕も、トレーニングオタク系なので、どのメーカーのタイツもそれなりに使いこなしてテストしています。最近はワコール社の営業のT女史が積極的に、テスト商品を送ってきてくれて、CW−X・エキスパートモデル、昨年の夏からは腰部の安定・股関節サポート力の上がったスタビライクスモデルの2タイプをテストしていて、スタビライクスは短期バックカントリーには大いに役立ちました。どのメーカーも機能効果を追及して作っているだけあって、どれが!という決定的なものはないように感じました。ストレッチ性が最も高く、コンプレッションの強いのがCW-X。ミディアムなのがフェニックス。最も弱いのがノースフェースといったところでしょうか。そこで、僕は、日常トレーニングにはノースフェース社のバイオテックスを使い、長期山行(縦走)にはCWーXのスタビライクスとフェニックス4DMを併用しています。どれかひとつに絞るなら、CW−X・エキスパートモデル。といったところでしょうか。速乾性についてもどのタイプも高いといえますが、寒気にさらけ出すと冷たさを感じます。CW−Xのトレッキングアドバイサーのひとり、友人の竹内洋岳君も高い評価をしてくれています。おそらく、コンプレッションの強さが細身の身体に合っているのでしょう。僕も彼ほど細身ではありませんが(最近、年のせいかやや・・・)、コンプレッションの強さはCW−Xに評価をもっています。このコンプレッションの強さは、強すぎても血流を悪くしますし、弱すぎると筋肉のサポートにならず、どれくらいが適度なのかは体型によって普遍的なので微妙です。膝の痛みの即解決には説得力がないように感じますが、筋肉疲労の軽減には多いに役立っていると思います。まだ、タイツを使用していないウォーカー・登山者のみなさん、早速購入!ちょっとコンプレッションが強く抵抗を感じられるみなさんは、いきなり山登りに使用ではなく、日常生活で慣らしてくださいね。さて、タイツもさることながらスキンズというオーストラリアのメーカーからは肌面にタイトにフィットし、血液の循環を無駄なくサポートするロングスリーブシャツも発売され効果が出ています。汗の処理も快適です。

「もはや、インナーでもサポーターでもない!身体に溶け込み、からだと一体化する第2の皮膚、第2の筋肉だ!」とコメントしている竹内君。昨年のシシャパンマ南西壁の登攀時かな?現在、日本人では、8000m14座完登の最も近いところにいるアルピニストです。今は14プロジェクトとかいって真剣に取り組み、挑戦をつづけるようです。完登したら、中部地区で座談報告会開かないとね。いつになりますか、ちゃんと生きててくれないとね。
膝の痛み解消のひとつの予防に
『脚のバランスを保ち、ひざや股関節をソフトテーピングを施したように安定させるサポート力は、不安定な足場での確実な脚運びをスムーズに。けがや故障の原因ともなる山歩きでの筋肉疲労を軽減。』というのが、サポートタイツの元祖ワコール社CW−Xの宣伝です。このタイツも膝の痛みの要因が、徐々にくる筋疲労なら効果的です。また適度なコンプレッションが血流を安定させるとともに、筋疲労によるポンプの働きのを助けることから、静脈瘤(と言っていいのか?)による「浮腫み」の防止にもなります。僕も、タイツを使わずに5日間の山行をし終えた後、いつもにない足の浮腫みが出た経験があります。あ〜嫌ですね、昔はタイツなんか履かずに何日も登山を続けても、疲労・浮腫みなんて出たことがなかったのに。ということで、みなさん積極的に利用しましょう。以前にも書き込みましたが、このタイツ、運動後すぐ脱ぐより、1時間くらい履き続けてからの方が、徐々に血流が安定して効果的だと思います(クールダウンといいます)。
タイツを履いてこのように野山を駆け巡りたいですね。
サポートタイツアイテム ワコールCW−X
エキスパートモデル
メンズ&レディース
¥10290(税込)

人気の定番モデルです。
エキスパートモデル男性用にアンダータイツ仕様の便利な前開きタイプが新登場。トレッキングなどの、スラックスとのコーディネートなどに便利。
¥11550(税込)
スタビライクスモデル
メンズ&レディース
¥15750(税込)

股関節サポートを基本に、ひざ関節の安定を追求した新しいモデル。腰の位置を安定させ、体軸のブレを抑える。脚の動きをすばやく、かつ安定してサポート。良好なコンディションを長時間持続させたいスポーツにおすすめ。汗冷えから身体を守る吸汗速乾素材「クールマックス」採用で爽やかな着ごこちを持続。
こちらはフェニックス社
1.腰と下腿の安定感を高める
パフォーマンスアップのために4DM(アドバンスモデル)が着目したのは縫工筋と内転筋。腰から腿までつながるパワーネットが、疲れて外側にブレていく膝の動きを補正。無駄な動きを最小限に抑え安定感を高めることで、スタミナ維持をサポートします。
2.理想のボディバランスを整える
身体の動きを妨げないハイストレッチ素材をベースに、腰から股関節を通る腸脛靭帯部分に伸びの少ないハイパワー素材を配置。ハイパワー素材のつくりだす「適圧」が、筋肉の反応を俊敏にする腸脛靭帯の感度を高め、ボディバランスを補正します。
3.膝関節のブレを抑え故障を軽減
多大な負荷がかかる膝関節を「適圧」でサポート。膝内外側側副靭帯に高めの「適圧」を加え、膝関節のブレを未然に防ぎながら、膝の機能を最大限に引き出します。通常のサポーターと異なる4DM独自のサポート技術が、靭帯部分だけを安定させ、膝の屈曲運動は妨げません。
専用膝サポーター
¥2800(税込)

筋肉をサポートした上で、内外側広筋肉群や膝外靭帯をサポートし、さらに膝への衝撃を和らげます。運動時間の長い登山には、単純な膝サポーターよりタイツとの併用サポーターが効果的です。